町内会・自治会の役員報酬を決めることになっても、「会長はいくら?」「副会長や会計にも必要?」と、金額の基準がわからず迷いますよね。役員報酬には全国共通の相場がなく、無報酬の団体から年額10万円以上を支給する団体までさまざまです。
この記事では、10自治体の調査結果をもとに、役員報酬と実費弁償の違い、金額の決め方、規約・総会・会計処理を紹介します。現役の町内会長を務めるヒラリの視点も交えながら、順番に確認していきましょう。
このページの内容について、みなさんの町内会・自治会の情報を募集しています。詳細は「町内会・自治会の情報募集」をご覧ください。
町内会・自治会の役員報酬について知っておきたいポイント

町内会・自治会の役員報酬は、報酬の有無も金額も地域や団体によって大きく異なります。
会長だけでなく、副会長・会計・班長などに報酬を設けている場合もあり、受け取る際は税金についても確認しておきたいところです。
- 役員に報酬がある町内会・自治会もあれば、すべて無報酬の団体もある
- 町内会長・自治会長の報酬額は地域によって大きく異なる
- 副会長・会計・班長などに報酬や謝礼を出している団体もある
- 報酬があることで、役員の責任や住民からの期待が大きくなることもある
- 役員報酬を受け取る場合は、税金や申告の扱いも確認しておく
ヒラリが会長を務めている町内会では、会長、副会長、会計、班長など、すべての役職が無報酬です。役員報酬を支給していない町内会・自治会の一例といえるでしょう。
ただし、ヒラリの町内会が無報酬だからといって、無報酬が適切な運営方法だと一律に考えているわけではありません。会議、行事、行政との連絡、書類作成などの仕事量は、役職や地域によって異なります。
無報酬のまま運営するのか、負担に応じて報酬を設けるのかは、それぞれの町内会・自治会で仕事内容や予算を確認し、役員や住民が納得できる形を話し合って決める必要があります。
町内会・自治会役員の報酬相場を一覧で確認
町内会・自治会役員の報酬には、全国共通の金額が決められているわけではありません。ここでは、10自治体が公表した調査をもとに、会長・副会長・会計・班長などの報酬額と、地域による違いを確認します。
実際には、会長を含むすべての役員が無報酬の団体もあれば、会長へ年額10万円以上を支給する団体もあります。役職名が同じでも、加入世帯数、行事の回数、行政との連絡、書類作成などの仕事量は同じではありません。
以下の金額帯は、役職別の年額や平均額を公表している自治体調査をもとに整理したもので、全国平均や推奨額ではありません。
| 役職 | 複数の調査で見られた金額帯 | 実際に見られる支給方法 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 会長 | 年額1万円~5万円未満が複数の調査で見られる | 年額固定、加入世帯数に単価を掛ける方法など | 無報酬から年額10万円以上まで幅が大きい |
| 副会長 | 年額1万円~3万円未満が中心 | 年額固定、会長の報酬額を基準に決める方法など | 会長代理や担当業務の範囲によって負担が変わる |
| 会計 | 年額1万円~3万円未満が中心 | 年額を固定して支給する方法など | 世帯数、口座数、会計処理の量によって負担が変わる |
| 班長・組長 | 無報酬~年額1万円未満が中心 | 一律支給、担当世帯数に単価を掛ける方法など | 班ごとの世帯数や担当する仕事に差がある場合は調整が必要 |
この表の金額帯は、10自治体の回答を合計して平均を出したものではありません。複数の調査で回答の多かった区分や、公表されている平均額を重ねて、おおまかな傾向として整理しています。
10自治体の役員報酬に関する調査結果
ヒラリ10自治体の調査を並べると、役員報酬の違いが見えやすくなります。
今回確認したのは、令和2年度から令和7年度までに実施された自治体の調査です。各調査の全体回答数を単純に合計すると6,033件ですが、全国を対象とした一つの統計ではありません。
調査年度、対象となる団体、質問の仕方、回答の金額区分が異なります。また、「報酬」「手当」「お礼」「費用弁償」など、調査で使われている名称にも違いがあるため、条件を確認しながら見ていきましょう。
| 自治体・調査年度・公式資料 | 調査全体の回答数 | 報酬を支給している割合 | 役職ごとの主な金額 |
|---|---|---|---|
| 札幌市 令和5年度 公式調査結果(PDF) | 1,085件 | 年額で支給65.6% 活動1回ごと3.8% 月額で支給2.0% 報酬なし25.7% | 会長は年額3万円~5万円未満が30.6%で最多。副会長・会計は年額1万円~2万円未満が最多 |
| 岐阜市 令和6年度 公式調査結果(PDF) | 1,784件 | 自治会長の手当あり19.5% 手当なし80.5% | 手当がある団体では、会長の年額1万円以下が63.0% |
| 関市 令和7年度 公式調査結果(PDF) | 381件 | 支給あり181件、47.5% 支給なし198件、52.0% 無回答2件 | 会長・副会長・会計は年額1万円~2万円未満が最多。班長は年額5千円~1万円未満が最多 |
| 尾張旭市 令和7年度 公式調査結果(PDF) | 179件 | 手当ありは自治会長33件、町内会長40件 全体179件に対して合計40.8% | 手当がある団体の平均は、自治会長20,538円、町内会長12,929円。報告書では費用弁償としても説明 |
| 周南市 令和4年度 公式調査結果(PDF) | 400件 | 会長手当あり61.3% 手当なし36.0% | 手当がある団体では、会長の年額2万円未満が36.7%、2万円~4万円未満が38.0% |
| 龍ケ崎市 令和2年度 公式調査結果(PDF) | 162件 | 代表者への報酬あり77.2% 報酬なし21.6% | 会長は年額1万円~5万円未満と5万円~10万円未満が各29.9%。10万円以上も23.1% |
| 宮崎市 令和3年調査 公式調査結果(PDF) | 523件 | 無報酬は会長2.1%、副会長6.9%、会計5.4% | 会長は10万円~15万円未満が23.0%で最多。副会長は5万円未満が49.0%、会計は5万円未満が44.8%で最多。該当設問には支給期間の明記なし |
| 福井市 令和7年度 公式調査結果(PDF) | 1,265件 | 会長手当ありに該当する回答は52.3% 手当なし42.5% 無回答5.1% | 会長の年額は5万円以上が14.8%、1万円~2万円未満が12.2%、3万円~5万円未満が9.7% |
| 北広島市 令和6年度 公式調査結果(PDF) | 104件 | 年額で支給66% 月額で支給2% 活動1回ごと1% 報酬なし31% | 年額平均は会長20,600円、副会長11,700円、会計部長16,600円、班長4,600円 |
| 新ひだか町 令和5年度 公式調査結果(PDF) | 150件 | 役員手当あり63.8% 手当なし36.2% 役員手当の設問は141件が回答 | 会長は1万円~2万円未満と3万円~5万円未満が各26.6%。副会長は1万円~2万円未満が48.4%。該当設問には支給期間の明記なし |
関市と尾張旭市の割合は、公式資料に掲載された件数と調査全体の回答数をもとに計算しています。福井市の「手当ありに該当する回答」は、金額を選択した団体の割合を合計したものです。
表の数字を比較するときは、役員報酬の設問に実際に回答した団体数や、行政からの報償費を含むかどうかも確認する必要があります。自分たちの報酬額を考えるときは、全国の数字をそのまま採用せず、規模や活動内容が近い団体を探すための資料として活用してください。
役員報酬を支給している割合にも地域差がある



役員報酬を支給している団体の割合も、自治体によって大きく異なります。
自治会長への手当がある団体は、岐阜市では19.5%、周南市では61.3%でした。龍ケ崎市では、代表者へ報酬を支給している団体が77.2%となっており、同じ「会長の報酬」を調べた結果でも大きな開きがあります。
ただし、この違いだけを見て「支給する地域」「支給しない地域」と単純に分けることはできません。調査によって、町内会・自治会が独自に支給する報酬だけを尋ねている場合と、地区や自治体などから支給される手当を含めている場合があります。
報酬を支給している割合だけで、その町内会・自治会の運営がよいか悪いかを判断することはできません。加入世帯数、会長や役員の仕事量、地域の慣習、会費収入や予算などが、報酬の有無に関係している可能性があります。
報酬を新しく設けるときや金額を見直すときは、全国共通の割合を探すよりも、同じ地域や同じくらいの世帯数で、仕事内容が近い団体を参考にするほうが現実的です。そのうえで、自分たちの町内会・自治会の負担と予算に合っているかを話し合いましょう。
役員報酬と交通費・実費弁償の違い
役員へ渡すお金には、仕事に対する報酬、立て替えた費用の精算、自治体からの報償費などがあります。名称だけでは区別しにくいため、誰が、誰に、何の目的で支給するのかを整理しておきましょう。
| お金の種類 | 支給目的 | 具体例 | 記録方法 |
|---|---|---|---|
| 役員報酬 | 役員の仕事や責任に対する対価 | 会長、副会長、会計、班長などへの年額手当 | 役員報酬として、支給日・受取人・金額を記録 |
| 交通費・実費弁償 | 役員が実際に負担した費用の補塡 | 交通費、印刷代、文具代、郵送料など | 領収書、明細書、利用日、目的などを残して精算 |
| 自治体からの報償費 | 行政文書の配布や自治体との連絡などへの協力に対する支給 | 自治会長報償金、行政連絡謝礼金、文書配布謝礼金など | 自治体からの通知書や支払明細を、町内会・自治会独自の報酬と分けて保管 |
| 町内会・自治会への補助金 | 地域活動や団体運営に必要な費用の支援 | 防災活動、清掃活動、広報、集会所管理などへの補助金 | 補助金収入と対象経費を記録し、必要に応じて実績報告書や決算書を提出 |
表の税金に関する内容は、違いを理解するための概要です。実際の所得区分、確定申告、住民税、源泉徴収については、後半の「町内会・自治会役員の報酬には税金がかかる?」で詳しく説明します。
役員の仕事に対して支給するのが役員報酬



役員の仕事や責任に対して支給するお金は、役員報酬として考えるのが基本です。
会長の行政対応や住民からの相談、副会長の会長補佐、会計の帳簿管理など、役職として担当する仕事への対価が該当します。年額を固定して支給する方法のほか、担当世帯数や役職に応じて金額を決める団体もあります。
会計上の名称を「手当」「謝礼」「お礼」と変えても、それだけで役員報酬ではなくなるわけではありません。名称よりも、何の仕事に対して、どのような基準で支給しているのかが重要です。
国税庁は、役員や使用人に支給する職務手当などについて、原則として給与所得になると説明しています。ただし、町内会・自治会役員への支給が同じ取り扱いになるとは一律に断定できず、団体との関係や支給方法などによって判断が異なる可能性があります。(参考:国税庁「No.2508 給与所得となるもの」)
役員報酬を設ける場合は、対象となる役職、金額、支給時期、決定方法を規約や報酬規程などで明確にしておきましょう。会計報告でも「役員報酬」など、住民が支出の目的を理解できる項目名を使うとわかりやすくなります。
交通費や立替金の精算は実費弁償



役員が町内会・自治会のために実際に負担した費用を返すことは、役員報酬ではなく実費弁償として整理できます。
たとえば、会議へ出席するための交通費、案内文を印刷した費用、文具代、切手代、振込手数料などが考えられます。会長や会計がいったん自分のお金で支払った場合は、何に使った費用なのかを確認してから精算します。
領収書やレシートを保管し、利用日、支払先、金額、使用目的を記録したうえで、実際に負担した金額を精算するのが基本です。領収書が発行されない交通費などは、交通費精算書を作り、利用日、区間、目的、金額を記録しておくとよいでしょう。
一方で、実際に使った金額を確認せず、毎月一律で「交通費5,000円」などと支給すると、実費弁償ではなく手当や報酬に近いと判断される可能性があります。
役員報酬と実費弁償は、帳簿の勘定科目や支給記録を分けておくことがポイントです。分けて記録しておけば、総会での会計報告や、後任の会計担当者への引き継ぎもしやすくなります。
自治体からの報償費や補助金とは分けて考える



自治体から支給されるお金は、受取人と支給目的を確認すると整理しやすくなります。
自治体によっては、行政文書の配布や地域の意見集約、自治体との連絡などへの協力に対して、自治会長個人へ報償金や謝礼金を支給しています。一方で、地域活動の運営費などとして、町内会・自治会へ補助金や交付金が支給される場合もあります。
郡山市では、市の刊行物を配布する町内会に「市刊行物等配布謝礼金」を支給し、行政との連絡などを担う町内会長本人には「町内会長等行政連絡謝礼金」を支給しています。同じ自治体からのお金でも、団体が受け取るものと会長個人が受け取るものに分かれています。(参考:郡山市「町内会・自治会とは」)
町内会・自治会独自の役員報酬、自治体から会長個人への報償費、団体へ交付される補助金は、それぞれ分けて記録しましょう。会長個人への報償費を町内会・自治会の収入に入れるのか、団体への交付金から役員報酬を支給できるのかなどは、自治体の要綱や通知書を確認する必要があります。
また、団体への補助金は、使える費用が決められていたり、年度終了後に実績報告や決算書の提出を求められたりする場合があります。宝塚市の自治会補助金では、精算報告書とともに、自治会の事業報告書や決算書などの提出を求めています。(参考:宝塚市「自治会補助金精算報告書」)
「自治体から受け取ったお金だから自由に使える」とは限りません。交付の目的、対象となる経費、受取人、報告方法を確認し、不明な点があれば支給した自治体の担当課へ問い合わせましょう。
町内会・自治会の役員報酬はいくらにする?決め方の考え方
役員報酬は、ほかの町内会・自治会の金額だけで決めるのではなく、役職ごとの仕事量や団体の規模、年間予算を合わせて考えます。ここでは、住民にも説明しやすい金額を決めるための判断基準を紹介します。
役職ごとの仕事内容と負担を整理する



役職名だけで報酬額を決めず、実際に担当している仕事を一度書き出してみましょう。
同じ「会長」「会計」という役職でも、会議や行事の回数、行政との連絡、書類作成など、担当する仕事は団体によって異なります。会議への出席時間だけでなく、準備や連絡、判断にかかる時間まで含めて確認することがポイントです。
ヒラリ自身も現役の町内会長として、定例会や行事以外に、行政からの連絡や住民からの相談など、回数だけでは表しにくい負担があると感じています。緊急時の連絡や住民間の問題への対応なども含め、役職ごとの業務一覧を作ると、報酬額の違いを説明しやすくなります。
会長が担当する具体的な仕事については、以下の記事でも詳しく紹介しています。


加入世帯数と町内会・自治会の予算を確認する



報酬を支払えるかどうかは、加入世帯数だけでなく、年間予算全体を見て判断します。
まず、加入世帯数、町内会費・自治会費の収入、補助金、年間の活動費、翌年度へ残しておくお金などを確認しましょう。役員報酬を新設したり増額したりする前に、すべての役職へ支給する年間総額を計算することが必要です。
世帯数が多くても会費が低い団体や、行事・防災・集会所の維持などに多くの費用がかかる団体もあります。世帯数が同じでも、収入や活動内容によって支払える金額は変わるため、報酬によって必要な活動費が不足しないかも確認しておきましょう。
町内会費・自治会費の主な使い道については、以下の記事で紹介しています。


近隣や同じ規模の団体を参考にする



比較するなら、全国の平均よりも、条件が近い町内会・自治会を探すほうが参考になります。
前に紹介した自治体の調査結果は、報酬額の幅を知るための材料にはなりますが、その金額をそのまま採用する必要はありません。同じ地域で、加入世帯数や活動内容が近い団体の例を確認すると、自分たちの実情に合った金額を考えやすくなります。
比較するときは、報酬額だけでなく、行事の回数、集会所の管理、行政から依頼される仕事、役員の人数なども確認しましょう。自治体や自治会連合会が調査結果を公開していない場合は、担当窓口へ相談する方法もあります。
金額と一緒に、役員が担当する仕事の範囲や支援体制も比べることで、表面的な金額だけに左右されにくくなるでしょう。
役職によって報酬額に差を設ける方法もある



すべての役職を同額にする方法も、仕事内容や責任に応じて差を設ける方法もあります。
一律の金額は仕組みがわかりやすい一方、会長や会計など一部の役職へ仕事が集中している場合は、不公平に感じられるかもしれません。反対に、役職ごとに細かく金額を変えると、違いを説明できる根拠が必要になります。
| 金額を決める基準 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 役職ごとの年額を固定する | 予算を立てやすく、住民にも説明しやすい | 仕事内容が変わったときは見直しが必要 |
| 担当世帯数を基準にする | 団体や班の規模を金額へ反映しやすい | 世帯数と仕事量が比例しない場合がある |
| 活動回数を基準にする | 会議や行事への参加回数を反映できる | 準備や連絡など、回数に表れない仕事を扱いにくい |
一律支給と役職別支給のどちらが公平かは、団体の運営方法によって異なります。複数の基準を組み合わせる場合も、複雑になりすぎないようにしましょう。
最終的には、なぜこの役職がこの金額なのかを住民へわかりやすく説明できる基準にすることが、納得を得るためのポイントです。
役員報酬を支給するときの規約・総会・会計処理
役員報酬を支給する場合は、金額を決めるだけでなく、団体内のルールと会計処理を整えておく必要があります。規約への記載から総会での承認、支給後の記録と見直しまで、実務の流れに沿って確認しましょう。
役員報酬について規約や報酬規程に記載する



役員報酬を支給することになったら、まず現在の規約にどのような定めがあるか確認しましょう。
規約へ金額まで記載する方法のほか、「役員に報酬を支給できる」と規約で定め、具体的な金額や支給方法は別の報酬規程にまとめる方法もあります。金額を変更する可能性がある場合は、別に規程を設けたほうが管理しやすいでしょう。
規約や報酬規程には、次の内容を記載します。
- 報酬を支給する役職
- 役職ごとの金額または金額の決定方法
- 支給時期と支給方法
- 交通費や実費弁償の取り扱い
- 報酬額を変更する場合の手続き
規約や報酬規程の内容と、実際の支給方法が一致するようにすることが重要です。「謝礼」「手当」など別の名称で支給する場合も、誰に何の目的で支払うのかを明確にしておきましょう。
横浜市の規約例でも、役員の種類や人数、役割などを規約で明らかにすることが望ましいと説明されています。報酬についても、団体内で認識が分かれないよう、書面で共有できる形にしておくとよいでしょう。(参考:横浜市「自治会町内会規約例」)
報酬額は総会で承認を得る



役員報酬の新設や増額は、役員だけで決めず、総会で会員へ説明して承認を得る形がわかりやすいでしょう。
町内会・自治会によって手続きは異なるため、最初に規約の「総会で審議する事項」「予算」「規約の変更」に関する条文を確認します。提案するときは、役職ごとの金額だけでなく、年間の支給総額、支給を始める時期、金額を決めた理由も予算案や報酬規程案に記載しましょう。
仕事量や近隣団体の状況、予算への影響を具体的に示すと、会員も判断しやすくなります。無報酬から有償へ変更する場合や増額する場合は、変更が必要になった背景も丁寧に説明してください。
承認された役職、金額、適用時期などは、後から確認できるように総会議事録へ正確に残します。横浜市の規約例では、予算・決算、規約の変更、その他の重要事項を総会で審議・議決する事項として示しています。(参考:横浜市「自治会町内会規約例」)
役員制度全体を見直す場合は、次の記事も参考にしてください。






支給記録を残して会計報告に掲載する



役員報酬を支給したときは、ほかの支出と同じように、内容を確認できる記録を残しましょう。
会計帳簿には、支給日、対象となる役職、受取人、金額、支給方法を記録します。現金で渡す場合は受領印や署名のある受領証を残し、銀行振込の場合は振込明細などを保管しておくと、会計監査でも確認しやすくなります。
誰に、いつ、いくら支給したのかを、帳簿と証拠書類の両方で確認できる状態にすることがポイントです。交通費や立替金の精算がある場合は、役員報酬とは分けて記録しましょう。
決算書や総会資料では、「役員報酬」などの項目を設け、予算額と実際の支出額を報告します。内部の支給記録には受取人を記載しつつ、会員へ配布する資料では役職別または合計額で示すなど、個人情報へ配慮しながら会計の透明性を確保する方法も考えられます。
名古屋市の運営ハンドブックでは、予算書、決算書、金銭出納簿などの参考様式も公開されています。(参考:名古屋市「町内会・自治会運営ハンドブック」)
仕事内容や予算の変化に応じて報酬額を見直す



一度決めた役員報酬も、その後の仕事量や予算に合っているか定期的に確認しましょう。
行事や会議が増えた、行政との連絡が多くなった、会計処理をデジタル化して負担が減ったなど、役員の仕事は運営方法によって変化します。加入世帯数や会費収入が減り、現在の報酬額を維持することが難しくなる場合もあるでしょう。
増額だけでなく、減額や役職間の配分変更も見直しの選択肢です。役員改選や次年度の予算案を作成する時期に、仕事内容、活動回数、年間の支給総額を確認すると進めやすくなります。
報酬額を変更するときも、現在の規約や報酬規程で定めた手続きに沿って、理由の説明と必要な承認を行います。見直した内容は議事録や規程に反映し、翌年度の役員へ引き継げるようにしておきましょう。
この記事のまとめ
町内会・自治会の役員報酬は、地域や団体による差が大きく、全国共通の相場や推奨額があるわけではありません。自治体の調査結果は参考になりますが、その金額をそのまま採用するのではなく、自分たちの活動内容や予算に合っているかを考える必要があります。
報酬額を検討するときは、役職ごとの仕事内容や責任、加入世帯数、年間予算、近隣団体の状況を順番に確認しましょう。交通費や立替金などの実費弁償とは分け、住民へ説明できるわかりやすい基準を設けることもポイントです。
ヒラリが会長を務める町内会では、会長、副会長、会計、班長など、すべての役職が無報酬です。ただし、無報酬がすべての団体に適しているとは限りません。支給する場合は規約や報酬規程を整え、団体のルールに沿って承認と会計報告を行い、役員の負担と予算の両方を見ながら判断してください。








