「お金がもらえるから町内会・自治会の役員(会長、副会長、会計など)をやっている」という人は少ないと思いますが、実際に役員を頼まれたとき、「町内会・自治会の役員の報酬はどれぐらいなのかな?」「受け取った報酬に対して、確定申告や源泉徴収は必要なのかな?」と気になりますよね。
今回は、現役の町内会長のヒラリの経験や知り合いの町内会長、市区町村のアンケート調査結果を元に、町内会・自治会の役員の報酬についてまとめました。

このページの内容について、みなさんの町内会・自治会の情報を募集しています。詳細は「町内会・自治会の情報募集」をご覧ください。
町内会・自治会の役員に報酬があるのかどうか


そもそも、町内会・自治会の役員(会長、副会長、会計など)になると報酬が出るのでしょうか?
まずは、周南市(山口県)、龍ケ崎市(茨城県)、尾張旭市(愛知県)の役員の報酬に関するアンケート調査結果を見ながら、町内会・自治会の役員に報酬があるかどうかを考えてみます。
■周南市(山口県)


- アンケート調査期間:令和4年11月1日~令和4年11月30日
- 引用元:周南市|令和4年度自治会アンケート報告書
周南市では町内会長・自治会長への「報酬あり」が「61.2%」、「報酬なし」が「36.0%」となっています。
■龍ケ崎市(茨城県)


- アンケート調査期間:令和2年9月11日~10月30日
- 引用元:龍ケ崎市|住民自治組織(区・自治会・町内会等)に関するアンケート調査報告書
龍ケ崎市では町内会長・自治会長への「報酬あり」が「77.2%」、「報酬なし」が「21.6%」と4分の3が「報酬あり」となっています。
■尾張旭市(愛知県)


- アンケート調査期間:令和5年1月5日~令和5年2月28日
- 引用元:尾張旭市|自治会・町内会活動に関するアンケート調査結果
尾張旭市では、「報酬なし」が「62.0%」、「報酬あり」が「35%」となっており、「報酬なし」が半数以上を占めています。
周南市、龍ケ崎市、尾張旭市の3つを見るだけでも、町内会・自治会の役員の報酬の有無が逆の結果になっていて、同じ市区町村の中でも町内会・自治会の役員への報酬の有無が違います。
昔からの慣例や町内会・自治会のお金の状況によって、役員への報酬の有無が決まっているようです。
ネットにある市区町村のアンケート調査結果をヒラリが見た限りでは、役員に対して報酬がある町内会・自治会の方が割合としては多い印象です。



ヒラリの町内会では、町内会長のヒラリを始め、すべての役員は無報酬で活動しています。
町内会長・自治会長の報酬の相場


「町内会・自治会の役員に報酬があるのかどうか」で見た周南市(山口県)、龍ケ崎市(茨城県)では、町内会長・自治会長の報酬に関するアンケート調査結果もあります。
■周南市(山口県)


- アンケート調査期間:令和4年11月1日~令和4年11月30日
- 引用元:周南市|令和4年度自治会アンケート報告書
周南市では町、年間の報酬金額は「2万円未満」と「2万円~4万円未満」で半数を超えています。
報酬が12万円以上の町内会・自治会もあります。
■龍ケ崎市(茨城県)


- アンケート調査期間:令和2年9月11日~令和2年10月30日
- 引用元:龍ケ崎市|住民自治組織(区・自治会・町内会等)に関するアンケート調査報告書
龍ケ崎市では、年間の報酬金額は「1万円~5万円未満」と「5万円~10万円未満」が半数以上を占め、「10万円以上」が「23.1%」もあります。
ヒラリがネットにある数々の市区町村のアンケート調査結果を見る限り、町内会長・自治会長の報酬金額の相場は、年間で3万円前後が一般的な印象です。
町内会長・自治会長の仕事や責任、昔からの流れなど、報酬の金額を決める理由は、地域によって異なります。
町内会長・自治会長以外の役員がもらえる報酬の相場


町内会長・自治会長以外の役員(副会長、会計など)がもらえる報酬についても、アンケート調査をしている市区町村があります。
龍ケ崎市(茨城県)では、副会長への報酬(年額)は「1万円以上2万円未満」が28.2%、会計への報酬(年額)も「1万円以上2万円未満」が24.7%、会計監査への報酬(年額)は「1万円未満」が最も多くを占めていました。
- アンケート調査期間:令和2年9月11日~令和2年10月30日
- 引用元:住民自治組織(区・自治会・町内会等)に関するアンケート調査報告書
長崎市では、副会長と会計への報酬(年額)は「5万円未満」がもっとも多くありました。
- アンケート調査期間:令和3年1月15日~令和3年2月8日
- 引用元:自治会に関するアンケート調査結果
他の市区町村のアンケート調査結果を見ても、副会長と会計への報酬(年額)は1万円前後が多い印象です。
ネットでいろいろな市区町村のアンケート調査結果を見ると、会長、副会長、会計以外にも会計監査、部長・委員、班長・組長にも報酬を出している町内会・自治会もありますが、報酬が多くても1万円前後という感じです。



ヒラリと同じ地域連合会に所属する他の町内会では、町内会の役員と班長にQUOカード(1,000円分)を配布しています。
町内会・自治会の役員に報酬があると責任が重くなることも


当然のことながら、無償のボランティアだから適当にやっていいということはありませんが、町内会・自治会の会長をはじめとする役員がボランティアで活動していると、住民のみなさんから「ボランティアなのに一生懸命にやってくれている」というイメージを持ってくれやすいです。
町内会・自治会の役員として、多くの報酬があると住民のみなさんから「あの人はお金をもらっているんだからやって当然」「お金をもらっているのに、こんなこともやらないのか」と思われてしまうこともあり、責任やプレッシャーが増してしまうことがあります。
ただ、実際には町内会・自治会の役員に報酬があったとしても費用弁償(年間で数万円)ぐらいのため、ほぼボランティアで役員をやっているという状態です。
「年間数万円の報酬がもらえるから町内会・自治会の役員をやりたい」という人は少ないですし、特に町内会長・自治会長はその金額では割に合いません。



ヒラリの知り合いの町内会長は年間で1万円だけの報酬にも関わらず、「お金をもらっているんだから、それぐらいのことはやってください。」と言われたことがあるそうです。
町内会・自治会の役員の報酬に税金はかかる?


町内会・自治会の会長をはじめとする役員に対する報酬には、税金がかかるのでしょうか?
役員の報酬は、基本的に「雑所得」となり、確定申告が必要です。
ただ、移動に使った交通費などの費用弁償(実費弁償)は、確定申告の対象となりません。
自治会から報酬をもらった場合、「雑所得」となり、市県民税の申告が必要と
引用元:宮崎市|自治会活動の手引
なります。
給与所得があり、雑所得などのその他の収入が20万円以下の場合は確定申告は不要です。
給与所得以外の所得が雑所得のみの場合、雑所得が20万円以下であれば確定申告は不要です。
引用元:freee|確定申告の基礎知識
役員の報酬は、給与所得に該当するという意見の税理士さんもいますので、このあたりは税理士さんによって考え方が異なるのかもしれません。
なお、給与所得の場合は、源泉徴収の対象となります。
自治会(地縁団体)の役員手当は、給与所得に該当すると考えます。
引用元:税理士ドットコム|自治会の役員手当に対する所得税
この記事のまとめ
今回は町内会・自治会の会長、副会長、会計などの役員の報酬についてお伝えしました。
役員の報酬は地域によって、かなり違いますが、町内会長・自治会長の報酬は年間で3万円前後、副会長と会計は1万円前後かなという印象です。
報酬については税金がかかることがあり、確定申告や源泉徴収が必要になることもあります。