町内会・自治会による赤十字募金の集め方と文例を紹介します

町内会・自治会による赤十字募金の集め方とお願いの文例を紹介します

毎年5月頃、町内会や自治会には日本赤十字社の支部、または地域赤十字奉仕団から募金の依頼があります。

日本赤十字社の活動を支援する一環として、募金を集めることは大切ですが、やり方を間違えると問題になることがあります。

地域住民のみなさんのことや世の中のルールを考えながら、現役の町内会長であるヒラリが、今までの経験と実体験を元に赤十字募金の集め方と文例をご紹介します。

※この記事では、日本赤十字社を「赤十字」としています。

目次

やってはいけない赤十字募金の集め方

赤十字募金を集めるときに使える文例

町内会・自治会として、「赤十字への募金をたくさん集めなければ」という気持ちが強すぎて、住民のみなさんにとってよくない集め方、世の中のルールに反した集め方をしてしまうことがあります。

ここでは、やってはいけない赤十字募金の集め方を2つ、特に2つ目の「町内会費・自治会費から一括で募金する」は違法になりますので、気をつけてください。

募金を強制する

町内会・自治会の運営側が「募金を強制していない」と思っても、住民のみなさんに「募金を強制されている」と思われてしまうことがあります。

募金するかどうかは本人の自由

募金するかどうかは本人の自由

まず、町内会・自治会の運営側が意識しなければいけないことは、募金するかどうかは自由(任意)です。

募金することが当たり前という雰囲気があると「募金を強制する」という行為が生まれてしまいます。

募金に限らずですが、何かを強制するというのは住民のみなさんに大きなストレスを与えます。

町内会・自治会側に「募金を強制するつもりがない」と思っていても、個別に訪問して募金をお願いしたり、電話や手紙で募金を催促すると住民のみなさんに「募金を強制されている」と思われてしまいます。

募金を強制すると町内会・自治会に対して嫌なイメージを持たれてしまい、住民のみなさんとの人間関係の悪化にも繋がります。

班長・組長の負担も考える

一般的に赤十字の募金は班長・組長が集めることが多いです。

募金の集め方について不満がある場合、集めているときに班長・組長が苦情を言われてしまい、「もう班長・組長をやりたくない」という不満が募ってしまいます。

町内会・自治会を退会される恐れがある

募金はもちろんですが、町内会・自治会への加入自体も自由(任意)です。

そのため、「募金を強制されるなら町内会を退会する」、「班長・組長をやるぐらいなら自治会を抜ける」ということにもなりかねません。

住民のみなさん、町内会・自治会の活動に協力してくれる班長・組長のためにも、募金を強制するのは控えた方がいいです。

ヒラリ

ヒラリの町内会でも以前は、班長が募金や神社への初穂料を1軒ずつ訪問して集金していましたが、今では廃止しています。

町内会費・自治会費から一括で募金する

町内会費・自治会費から一括で募金する

町内会・自治会の運営側からすると住民のみなさんから集めた会費から一括で赤十字に募金することは、「班長・組長が集金しなくていいから効率的」と思うかもしれませんが、この集め方はトラブルの原因になります。

総務省の「教材7「法教育の視点から ルールづくり」」には、滋賀県甲賀市甲南町にある「希望ケ丘自治会」で、自治会費に募金や寄付金などの名目で2,000円を上乗せし、住民に訴えられたケースが紹介されています。

集金にあたるグループ長・組長らの負担を解消しようと2006年3月の定期総会で、年会費6,000円の自治会費に募金や寄付金など2,000円分を上乗せ(増額)して徴収することを定期総会で賛成多数で決議した。

引用元:総務省|教材7「法教育の視点から ルールづくり」

この裁判の結果は総務省のページにはありませんが、野田市の公式サイトでは自治会側の上乗せは「無効」という結果になったと記載されています。

したがって、このような内容を有する本件決議は、被控訴人の会員の思想、信条の自由を侵害するものであって、公序良俗に反し無効というべきである。

引用元:野田市|募金等のご協力のお願い

町内会・自治会の住民全員(世帯全員)の同意があれば、町内会費・自治会費から一括で赤十字に募金することはできますが、実際には非常に難しいと思います。

町内会費・自治会費から一括で赤十字に募金することは、「希望ケ丘自治会」のケースで「違法」と判断されていますので、やらないようにしましょう。

ヒラリ

ヒラリの町内会には赤十字の募金の依頼はありませんが、地域連合会では、各町内会・自治会から支払われてるお金から、とある募金が一括で支払われているという事実があります。
ヒラリの立場では、すぐにやめることができませんが、今後に向けて改善していく必要性を感じています。

おすすめの赤十字募金の集め方

おすすめの赤十字募金の集め方

住民のみなさんが納得できる形で、さらに町内会・自治会の班長・組長に負担がかからない赤十字募金の集め方をすることが大切です。

ここでは、おすすめの募金の集め方を詳しく紹介します。

希望者が回覧板の名簿にチェック→集金

名簿を使って希望者のみ、班長・組長が集金に行く方法です。

STEP

回覧板に赤十字募金の案内と名簿をつけて回し、募金したい人が自分の名前の部分にチェックを入れます。

STEP

班長・組長の元に戻ってきた名簿を確認して、チェックがある人に集金に行きます。

この方法の特徴

回覧順の最初の方の人は誰が募金を希望するのかわかりませんが、最後の方になると誰が募金を希望するのかがわかってしまいます。

班長・組長が集金に行っても、募金したい人が家にいないと繰り返し行かなければいけない可能性があります。

回覧板の案内を確認し班長・組長に連絡→集金

希望者からの連絡後、班長・組長が集金に行く方法です。

STEP

回覧板に赤十字募金の案内をつけて回します。※案内には「募金の希望者は班長・組長に連絡してください。」と入れます。

STEP

募金したい人が班長・組長に連絡します。

STEP

班長・組長が希望者に集金に行きます。

この方法の特徴

回覧版には募金の案内だけのため(名簿なし)、「誰が募金を希望しているのか」がわかりませんが、募金をしたい人が班長・組長に連絡する必要があるので、それを煩わしく思い、募金をしない人が増える可能性があります。

回覧板の案内を確認→希望者が班長・組長に渡す

住民のみなさんには負担がかかりますが、班長・組長は楽になる方法です。

STEP

回覧板に赤十字の案内をつけて回します。※案内には「募金の希望者は班長・組長の家にお金を持ってきてください。」と入れます。

STEP

募金したい人が班長・組長の家にお金を持っていきます。

この方法の特徴

住民が班長・組長の家に募金を持っていっても、不在があると募金を諦めてしまう可能性があります。
班長・組長の家の郵便受け(ポスト)に鍵が付いていたり、外からは開けられない仕組みになっていれば、郵便受けに入れてもらえばいいので、負担が減ります。

特定の場所に希望者が募金に行く

公民館やコミュニティセンターなどの施設にいる町内会・自治会の関係者に募金を渡す方法です。

STEP

覧板に赤十字の案内をつけて回します。※案内には「募金の希望者は◯◯にお金を持ってきてください。」と入れます。

STEP

募金したい人が指定の場所にお金を持っていきます。

この方法の特徴

公民館やコミュニティセンターなどの施設に常に町内会・自治会の関係者がいる必要があります。

どの方法も一長一短がありますので、ご自身の町内会・自治会にあった方法で、赤十字募金を集めてください。

赤十字募金を集めるときに使える文例

赤十字募金を集めるときに使える文例

ヒラリが赤十字募金を集めるときに使える文例(募金のお願い)を作成してみました。

ここでご紹介する文例は「おすすめの赤十字募金の集め」にある「希望者が回覧板の名簿にチェック→集金」の内容となっています。

ヒラリ

ヒラリは、町内会に回覧する文書はもちろん、学区のイベントや地元の盆踊り大会の寄付金を募る文書を作成した経験がありますし、今でも新しいイベントなど回覧する文書を作成することがよくあります。

ヒラリが作成したWordの文書もダウンロードできるようにしていますので、募金の集め方によって一部の内容を変更してください。

※ヒラリが作成した文書は専門家からみるとおかしな箇所があるかもしれません。あくまでも参考程度にしていただき、必要に応じて修正してください。

町内会・自治会による赤十字募金の案内(ヒラリ作成)

ダウンロード(Word形式)

このリンクをクリック後、ダウンロードしたWord文書(ファイル名:chonaikai-jichikai-sekijujibokin-annai_hirarii)をダブルクリックすると開きますので、ご自身の町内会・自治会や募金の集め方にあった内容に修正してください。

この記事のまとめ

今回は赤十字募金の集め方と募金を集めるときの文例をご紹介しました。

赤十字募金のやってはいけない集め方には「募金を強制する」と町内会費・自治会費から一括で募金する」があり、特に後者は違法になる可能性があるので、十分に気をつけてください。

赤十字募金のおすすめの集め方は4つあります。

  • 希望者が回覧板の名簿にチェック→集金
  • 回覧板の案内を確認し班長・組長に連絡→集金
  • 回覧板の案内を確認→希望者が班長・組長に渡す
  • 特定の場所に希望者が募金に行く

町内会や学区でいろいろな文書を作成した経験のあるヒラリが、赤十字募金を集めるときに使える案内文書も作成しましたので、「どんな文書を作成していいかわからない。」という方は参考にしてくださいね。

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この記事を書いた人

現役町内会長のヒラリです。
年齢は40代、子育てをしながら地元の町内会長をしています。
「町内会のとびら」では、ヒラリが町内会を運営するときに必要な情報をまとめたり、実際に体験や経験したことを記事にしています。
町内会・自治会のことが気になる人、運営している人に役立ててもらえると嬉しいです。

詳しいプロフィールは運営者情報でご覧ください。

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