男性が多いイメージの町内会長・自治会長ですが、実際の女性の割合はどれぐらいなのでしょうか?
内閣府や市区町村のアンケート調査結果に加え、現役の町内会長であるヒラリの経験を元に、町内会長・自治会長に占める女性の割合を調べてみました。
「今のような女性に割合になっている理由」と「女性の町内会長・自治会長が地域に与える影響」についても考えてみました。

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町内会長・自治会長の女性の割合は?


ここでは、内閣府、新宿区(東京都)、横須賀市(神奈川県)のアンケート調査結果で町内会長・自治会長に占める女性の割合を見ていきましょう。
■内閣府


- データの内容:平成19年~令和元年
- 引用元:内閣府男女共同参画局|I-3-2図 自治会長及びPTA会長に占める女性の割合の推移
内閣府の「地方公共団体における男女共同参画社会の形成又は女性に関する施策の推進状況」によりますと、2007年には「3.8%」、2019年には「5.9%」と町内会長・自治会長の女性の割合が少し増えていますが、90%以上が男性が町内会長・自治会長を務めています。
内閣府以外のデータとして、新宿区(東京都)と横須賀市(神奈川県)の町内会長・自治会長が占める男女比も見てみましょう。
■新宿区(東京都)


- アンケート調査期間:平成18年7月
- 引用元:新宿区|「町会・自治会における男女の参画状況アンケート」
■横須賀市(神奈川県)


- アンケート調査期間:令和3年8月3日~8月31日
- 引用元:横須賀市|男女共同参画に関する町内会・自治会アンケート調査-調査結果報告書―
ヒラリの予想としては、地方よりも都心部の方が町内会長・自治会長に占める女性の割合が多いと思ったのですが、新宿区(東京都)と横須賀市(神奈川県)ともに内閣府の調査と同じで、90%以上が男性でした。
ヒラリ自身もそうですが、ヒラリの知り合いの町内会長・自治会長もほとんどが男性です。
ただ、副会長、会計、監査など、会長をサポートする役員には女性が活躍している町内会・自治会がけっこうありますので、少しずつかもしれませんが、今後は女性の町内会長・自治会長も増えるのかもしれません。



ヒラリの町内会では今まで女性の町内会長はいませんでしたが、町内会長以外の役員や委員には、女性のみなさんが協力してくれています。
町内会長・自治会長に女性の割合が少ない理由


町内会長・自治会長に女性の割合が少ない理由は様々ありまります。
ここではヒラリが思う理由を3つと女性の町内会長・自治会長が地域に与える影響についてお伝えします。
家事や育児の負担が大きい
若い世代には家事や育児をうまく分担している夫婦もいますが、まだまだ日本では女性がメインで家事や育児をすることが多いです。
シニア世代が若かった頃、男性が仕事、女性が家事と育児をするのが当たり前の時代だったため、それが顕著に現れています。
家事や育児など、日々の生活で忙しいため、町内会長・自治会長における女性の割合が少ないということが考えられます。



ヒラリの町内会にある子ども会では、小学生のお母さんが会長になりますが、子どもがいて、さらに旦那さんが平日は仕事でほぼいない中、がんばって子ども会の会長を務めてくれた人もいます。
責任がある仕事につきたくない
「町内会長・自治会長のような責任がある仕事にはつきたくない」という女性の声をよく聞きます。
もちろん、男性にも「会長は負担が大きいから無理ですが、副会長や会計ならやります」という人もいますが、ヒラリの経験上、女性の方が「トップとしての責任」を負いたくないという人が多い気がします。
昔から続く町内会・自治会は、町内会長・自治会長だけでなく、役員や部長・委員も男性のことが多いので、その中で女性が会長となって仕切るのは難しいということもあります。
女性の役員や部長・委員が増え、気軽な雰囲気で町内会・自治会の運営ができるようになれば、女性の町内会長・自治会長も増えていくんじゃないかなと思います。



ヒラリの地域でも、女性に町内会・自治会の役員や委員をお願いしても「町内のことは喜んでお手伝いしますけど、責任のある役にはつきたくないです。」と断れることがほとんどです。
子ども会は、基本的に小学生のお母さんが会長になるため、毎年、子ども会の会長を決めるのに難航しています。
住んでいるところが地元ではない
今では男性が家の後を継ぐという風習はなくなりつつありますが、シニア世代は結婚後に女性が男性の地元(生まれ故郷)に嫁ぐことが多くありました。
そのため、シニア世代の女性にとっては、結婚後に住んでいるところが地元ではないため、昔からの知り合いがいなくて、子どもの頃や若い頃に町内会・自治会に関わる機会がありませんでした。
このような状況で、「町内会長・自治会長をやってください」と言われても、難しいですよね。
「生まれ故郷よりも、結婚後に住んでいる今のところの方が長い」というシニア世代の女性も多く、「今、住んでいる地域に愛着があり、友達もたくさんいる」という女性が町内会長・自治会長になることもあります。



ヒラリの地域には、生まれ故郷ではないにも関わらず、女性の町内会長として活動している人がいて、地域のために一生懸命に活動してくれています。
女性の町内会長・自治会長が地域に与える影響


今も昔も男性の町内会長・自治会長が多いため、男性が中心となって町内会・自治会の運営方法が決められています。
男性が悪いわけではありませんが、女性が町内会長・自治会長になると今までとは違った視点や考え方を町内会・自治会に取り入れることができるため、運営に行き詰まっている町内会・自治会に新しい風を吹かせることができる可能性があります。
防犯や子育てなど生活に密着した問題に詳しい
地域の防犯対策を考えるとき、夜道の照明の設置や見通しの悪い場所の改善、子どもの遊び場の安全性など、実際に女性が危険に感じる箇所について提案できるため、住民みなさんが安心して暮らせる環境を整えやすくなります。
さらに、子育てや教育、高齢者の介護など、生活に密着した問題を実際に経験している女性も多いため、住民のみなさんに寄り添うことができます。
コミュニケーション能力が高い
女性は男性よりもコミュニケーション能力が高いため、役員だけでなく、地域の住民のみなさんとも交流することが得意です。
町内会長・自治会長は偉そうに構えているだけでは、誰も協力してくれません。
町内会長・自治会長の人となりを知ってもらって、仲良くなれば協力してくれる人も出てきます。
そのためにはコミュニケーションを取らなければいけませんので、女性が町内会長・自治会長になると人間関係が良くなり、慕ってくれる人が増えます。
他の町内会長・自治会長との情報交換もできるようになり、町内会・自治会だけでなく、地域全体のつながりが強くなります。
細やかな気配りができ、共感力が高い


女性は細かなところにもすぐに気づくので、一人暮らしの高齢者が困っていたり、子どもが不安に思っているときなど、フォローできます。
町内会・自治会で開催されるイベントや行事については、参加する住民のみなさんが楽しめるよう気配りができます。
共感力が高いため、住民のみなさん一人ひとりに寄り添い、相談しやすい関係性が生まれます。
横のつながりがあるため参加者が増える
女性は横のつながりが多い(上下関係がない友だちが多い)ため、女性が町内会長・自治会長になると役員になってくれる人や町内会・自治会のイベントや行事に参加してくれる人が増えます。
地域で起こっていることや住民のみなさんの意見、みんなが必要に思っていることなど、日頃からのコミュニケーションを通じて、情報を集めることができます。
女性はチームワークを重視するため、横のつながりを中心に協力して物事を進めることができるため、町内会・自治会が一つのチームとして活動することができます。
女性の町内会長・自治会長が地域に与える良い影響をご紹介しましたが、リーダーシップを発揮するのが苦手な女性が多い傾向があるため、町内会長・自治会長になってくれる女性を見つけるのはかなり難しいのが実情です。
町内会長・自治会長に限らず、「男性だけ」「女性だけ」で町内会・自治会するのではなく、男女が一緒になって気軽に意見を出し合える環境を作り、町内会・自治会を運営することが大切です。



ヒラリの地域にいる女性の町内会長は友達が多く、コミュニケーションを取るのが上手なので、町内だけでなく、地域の人から親しまれています。
この記事のまとめ
今回は、町内会長・自治会長の女性の割合や女性の町内会長・自治会長が地域に与える影響についてお伝えしました。
町内会長や自治会長に女性の割合が少ない背景には、家事や育児の負担が大きいことや責任のある役職を避ける人が多いです。
女性の町内会長・自治会長が地域に与えるいい影響を4つお伝えしました。
- 防犯や子育てなど生活に密着した問題に詳しい
- コミュニケーション能力が高い
- 細やかな気配りができ、共感力が高い
- 横のつながりがあるため参加者が増える
町内会・自治会は男性と女性が協力し合って運営できる環境づくりが大切です。



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