PTA広報誌への挨拶文を頼まれると、「卒業生へ何を伝えよう」「年度末のお礼をどうまとめよう」と迷いますよね。長い文章を書こうとするより、誰に向けた言葉かを決めると、伝えたい内容を整理しやすくなります。
この記事では、PTA副会長経験者のなごみが、卒業・年度末を中心とした挨拶文例を紹介します。新年度や行事後、巻頭・編集後記の短文も掲載し、自校の出来事や掲載時期に合わせて直す方法まで説明します。
PTA広報誌の挨拶文を選ぶときのポイント

挨拶文は、書き手の立場と読者、掲載する号に合わせて選びます。文例をそのまま載せる前に、学校名や役職、出来事を確かめましょう。式典で読む言葉と、後から届く広報誌の言葉は、時期に合わせて調整します。
- 書き手の立場と、誰に伝える文章かを決める
- 卒業・年度末など、掲載する号に合う文例を選ぶ
- 学校名・出来事・時期の表現を実際の内容に直す
- 文字数・署名・確認担当者を確かめて提出する
PTA広報誌に使える挨拶文例【卒業】
まずは卒業号に使える文例です。この記事の文例は、編集用に作成したオリジナルの文章で、実際の挨拶や体験談の引用ではありません。○○の部分や出来事の説明は、実際の内容に合わせて変更してください。
ほかの場面を探している方は、次の区分を目安に、該当する見出しへ進んでください。
| 掲載する場面 | 選ぶ文例 |
|---|---|
| 卒業号 | PTA会長から卒業生へ/保護者から感謝を伝える |
| 年度末・役員交代 | 会長の振り返り/退任/先生方や地域へのお礼 |
| 新年度・進級 | 入学・進級のお祝い/新役員の就任 |
| 行事後 | 運動会・文化祭などのお礼 |
| 巻頭・巻末 | 読者への挨拶/広報委員の編集後記 |
PTA会長から卒業生へお祝いを伝える
会長の卒業挨拶は、卒業のお祝いとこれからへの応援を中心にするとまとまります。小学校・中学校のどちらでも使える基本文と、学校での思い出を加える文例を用意しました。
卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。学校で過ごした日々には、うれしいことや、思うようにいかないこともあったと思います。その中で出会った人や経験したことを、これからも大切にしてください。
新しい場所でも、周りの人を頼りながら、自分の歩幅で進んでいってほしいと願っています。保護者の皆さまにも、心よりお祝い申し上げます。卒業生の皆さんのこれからを、PTA一同、応援しています。
卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。○○で、皆さんが○○に取り組んでいた姿が心に残っています。学校生活の中で見せてくれた一人ひとりの工夫や挑戦を、うれしく感じています。
先生方や地域の皆さまには、日頃より子どもたちを支えていただき、ありがとうございました。卒業生の皆さんが、これからも自分の好きなことや大切にしたいことを見つけていけるよう願っています。
思い出を加える場合は、自分が見聞きした場面だけを使います。「全員が同じ気持ちだった」「必ず夢がかなう」など、子どもたちの気持ちや将来を決めつける表現にする必要はありません。
保護者の立場から、卒業のお祝いと先生方への感謝を伝える
保護者の文章では、成長を喜ぶ気持ちと支えてくれた方への感謝をつなげます。「保護者代表」として掲載するのか、個人の寄稿なのかに合わせ、主語を選んでください。
卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。学校生活を通じて、それぞれの歩みを重ねてきた皆さんの姿を、保護者としてうれしく思います。
日々の学びを支えてくださった先生方、子どもたちを見守ってくださった地域の皆さまに、心よりお礼申し上げます。新しい生活の中でも、子どもたちが安心して自分らしく過ごせるよう、これからも見守っていきたいと思います。
子どもたちの卒業にあたり、これまでご指導くださった先生方に心から感謝申し上げます。日々の授業や学校生活の中で、一人ひとりに関わってくださったことを、ありがたく感じています。学校での経験を大切にしながら、子どもたちが新たな一歩を踏み出せるよう、これからも家庭で支えてまいります。
個人名で寄稿する場合は、「保護者一同」などの代表表現を無断で使わず、「私自身」「わが子」など、実際の立場に合う言葉へ直しましょう。
PTA広報誌に使える挨拶文例【年度末】
年度末は、活動への感謝と一年の振り返りを伝える場面です。会長としての挨拶、役員を退く挨拶、先生方や地域へのお礼を分けて紹介します。
PTA会長として一年間の活動を振り返る
年度末の会長挨拶は、一年間の協力への感謝を軸にまとめます。活動を紹介するときは、実施したものを一つ挙げるだけでも、その年度らしい文章になります。
本年度もPTA活動にご理解とご協力をいただき、ありがとうございました。○○の活動をはじめ、多くの方のお力添えをいただきながら、一年の取り組みを進めることができました。
保護者の皆さま、先生方、地域の皆さまに、改めて感謝申し上げます。今年度に寄せられたご意見や活動の記録を次年度へつなぎ、子どもたちを支える取り組みを、無理のない形で続けていければと思います。
一年間、PTA活動へのご理解とお力添えをいただき、ありがとうございました。皆さまのご協力に支えられ、今年度の取り組みを進めることができました。子どもたちの学校生活を支えてくださったすべての方に、心よりお礼申し上げます。
次年度の方針をまだ決めていない場合は、未決定の活動や増員の約束を加えません。退任する会長は、新体制の抱負を代わりに述べず、感謝と引き継ぎを中心にしましょう。
役員交代・退任にあわせてお礼を伝える
退任挨拶では、在任中のお礼と次への引き継ぎを短く伝えます。役職や任期は実際の内容に直し、後任者が決まっていない段階では氏名や新体制を載せないようにします。
このたび、任期満了に伴い○○を退任いたします。在任中は、保護者の皆さま、先生方、役員・委員の皆さまに支えていただき、心より感謝申し上げます。
活動を通じていただいたご意見や記録は、次の担当者へ引き継いでまいります。子どもたちを支える取り組みに関われたことを、大切な経験として受け止めています。これまでのお力添えに、改めてお礼申し上げます。
任期途中で交代する場合は、冒頭を「このたび、○○を退任することとなりました」などへ変えます。任期満了という表現が実際の経緯と合っているか、確認してください。
地域の方や先生方へ年度末の感謝を伝える
お礼の文章では、どのような支えへの感謝かを一つ具体的にします。見守りや行事への協力など、相手が実際に関わった活動に合わせて書き換えましょう。
地域の皆さまには、本年度も○○の活動を通じて子どもたちを支えていただき、ありがとうございました。学校や家庭だけでは届きにくいところにも温かな目を向けていただき、心より感謝申し上げます。これからも地域とのつながりを大切にしながら、子どもたちの成長を見守ってまいります。
先生方には、本年度も子どもたちの学びと日々の学校生活を支えていただき、ありがとうございました。また、PTA活動へのご理解とご協力にも、心よりお礼申し上げます。学校と家庭で必要なことを伝え合いながら、子どもたちを見守っていければと思います。
一つの文章にまとめる場合も、相手と協力内容の対応を確かめます。実施していない活動や、相手が担当していないことまでお礼に含める必要はありません。
PTA広報誌に使える挨拶文例【新年度・進級】
新年度号では、入学・進級へのお祝いと、新しい役員からの挨拶を使い分けます。子どもたちへ向ける言葉と、保護者へ活動を説明する言葉を整理しましょう。
新入生と進級した子どもたちへお祝いを伝える
新年度の挨拶は、入学・進級のお祝いを先に伝えます。期待だけでなく、新しい環境に戸惑う子どももいることを考え、前向きな気持ちを一律に求めない文章にしましょう。
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。在校生の皆さんも、ご進級おめでとうございます。新しい教室や出会いの中で、楽しみなことも、まだ慣れないこともあると思います。
分からないことや困ったことがあれば、周りの人に相談しながら、それぞれのペースで学校生活を重ねていってください。保護者の皆さまとともに、子どもたちの新しい一歩を見守ってまいります。
新学期だけの挨拶に使う場合は、冒頭を「新しい学期が始まりました」へ変更し、入学・進級のお祝いは外します。新年度と新学期の違いに合わせて使ってください。
新役員として就任の挨拶と抱負を伝える
就任挨拶では、氏名・役職と取り組む姿勢を簡潔に示します。活動への協力を呼びかける場合も、全員に同じ参加を求める言い方は避けましょう。
本年度、○○学校PTAの○○を務めることになりました、○○です。どうぞよろしくお願いいたします。
子どもたちの学校生活を支えられるよう、先生方や保護者の皆さまの声を伺いながら、役員・委員で協力して取り組んでまいります。ご家庭の事情や関わり方の違いにも配慮し、無理なく参加できる活動を考えていきたいと思います。一年間、どうぞよろしくお願いいたします。
学校名と氏名だけでなく、正式な役職名と任期も確認します。具体的な方針を添える場合は、役員間などで共有・決定した内容に限ってください。
PTA広報誌に使える挨拶文例【行事・イベントの後】
運動会や文化祭などの後に発行する号では、行事の振り返りと協力へのお礼を伝えます。開催前の案内や、当日の開会挨拶とは時点を分けて使ってください。
運動会・文化祭などへの協力にお礼を伝える
行事後のお礼では、実際に見られた様子と協力への感謝を結び付けます。次の二つは、運動会と文化祭を例にした文章です。行事名や活動内容を確認して選んでください。
先日の運動会では、子どもたちへの応援や運営へのお力添えをいただき、ありがとうございました。○○の場面で、子どもたちが声をかけ合う姿が印象に残っています。
ご指導くださった先生方、準備や片付けなどにご協力くださった皆さまに、心より感謝申し上げます。今回の広報誌でも、当日の様子をお伝えします。学校での時間を振り返るきっかけになれば幸いです。
先日の文化祭では、作品展示や発表を通じて、子どもたちの工夫に触れることができました。○○に取り組む姿から、一人ひとりが大切にしていることを感じました。
開催に向けてご準備くださった先生方、運営にご協力くださった皆さまに、心よりお礼申し上げます。誌面で紹介する様子を、ご家庭でも話題にしていただければうれしく思います。
「今回の広報誌でも紹介します」は、実際に関連記事を載せる場合だけ残します。自分が見ていない場面や、確認していない成果を、体験したように書き加えないでください。
PTA広報誌の巻頭・巻末に使える短い挨拶文例
巻頭の挨拶は読者へ号の内容を伝える言葉、編集後記は制作に関わった側からの言葉として整理できます。掲載位置や担当は自校の紙面構成に合わせてください。
巻頭で読者へ誌面の内容を案内する
巻頭の短文では、この号で伝えたいことを案内します。会長挨拶を別に載せている場合は、同じ抱負やお礼を長く繰り返さなくて構いません。
本号では、○○をテーマに、子どもたちの学校での様子を紹介します。取材や原稿の作成にご協力くださった皆さまに、心より感謝申し上げます。誌面を通して学校生活の一場面を知り、ご家庭で話すきっかけとしていただければ幸いです。
「学校生活を紹介する」「活動報告を届ける」など、実際の掲載内容に合うテーマへ変えます。巻頭に載せるという理由だけで、長い時候の挨拶を足す必要はありません。
巻末の編集後記で制作への協力に感謝する
編集後記は、制作の振り返りと協力へのお礼を中心に書けます。会長の年度末挨拶とは異なり、取材・原稿・編集など、誌面づくりの範囲に絞ると重複を減らせます。
本号の制作にあたり、取材や原稿の確認にご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。○○の企画では、○○を誌面で伝えることを意識しました。この広報誌が、学校での出来事を知るきっかけになればうれしく思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本号で、今年度の広報誌の発行を締めくくります。一年間、取材・原稿・写真の提供や内容確認にお力添えをいただき、ありがとうございました。制作に関わる皆さまの協力に支えられ、各号をお届けすることができました。活動の記録を次の担当者へつなぎ、これからの誌面づくりに役立ててまいります。
「写真の提供」「次の担当者へつなぐ」などは、実際の制作体制や予定に合わせて直します。編集後記の名義も、個人名か広報委員会名かを確認しましょう。
文例を自校の広報誌に合わせて整える方法
文例を選んだら、書き手・出来事・掲載時期を合わせます。ここで紹介するのは、広報誌の原稿を整えるための編集上の提案です。式典のスピーチ原稿や、用紙一枚の通知文と同じ書式にそろえる必要はありません。
- 依頼された文字数、掲載する号、原稿の提出期限を確認する
- 文例の学校名・役職・氏名と、出来事の部分を書き換える
- 実際の紙面へ入れ、時期の表現と内容を確認して提出する
時期や立場がずれやすい表現は、次のように直せます。下表は差し替え方の例です。
| 元の表現 | 直すときの考え方・例 |
|---|---|
| 本日はご卒業おめでとうございます | 卒業号では「ご卒業おめでとうございます」。発行時点と合わない「本日」は外す |
| 本日の運動会では | 行事後の発行なら「先日の運動会では」「○月に行われた運動会では」 |
| 小学校での六年間 | 中学校なら「中学校での三年間」。在籍期間を一律に書かず「学校で過ごした日々」でもよい |
| 保護者一同、感謝しています | 個人の寄稿なら「保護者として、感謝しています」などへ変更 |
| 来年度は○○を実施します | 未決定なら削除するか、現在の決定内容に合う文章へ変更 |
長さに迷った場合は、まず依頼された文字数と掲載スペースを優先します。短くするなら、似た意味のお礼や抱負を整理し、お祝い・感謝・伝えたいことを残しましょう。長くするために、実際にない思い出を足さないでください。
さいたま市PTA協議会も、広報誌の発行回数や形式は学校ごとに異なるため、過去の紙面や前任者からの引き継ぎを確認するよう案内しています。署名の位置や見出しの付け方も、自校の紙面に合わせると整えやすくなります。(参考:さいたま市PTA協議会「広報担当になったら」)
挨拶文の書き方や、会長・役員の立場に合わせた表現をさらに考えたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

掲載前に確認しておきたいこと
原稿がまとまったら、内容と表記を確認します。ほかの人の名義で載せる原稿は、名義人本人の確認を受けてから提出しましょう。文例を使っていても、本人が見ていない出来事や考えていない抱負を、その人の言葉として確定させないことが大切です。
- 学校名・役職・氏名・年度に誤りがないか
- 行事名や出来事、引き継ぎの予定が実際の内容と合っているか
- 「本日」「来年度」などが発行時点と合っているか
- ○○などの差し替え欄や、不要な一文が残っていないか
- 執筆者と広報担当者など、必要な人が最終原稿を確認したか
個人を特定できる事情や、掲載を望まない話題を、思い出として無断で加えないようにします。写真を添える場合も、原稿とは別に、学校・PTAの掲載ルールと本人・保護者の意向を確認してください。さいたま市PTA協議会の広報担当者向け案内でも、写真掲載時の配慮が示されています。(参考:さいたま市PTA協議会「広報担当になったら」)
挨拶文以外のページも含めて、次の号の内容を考えたい場合は、PTA広報誌の企画アイデアを紹介した記事をご覧ください。

この記事のまとめ
PTA広報誌の挨拶文は、書き手の立場と掲載する場面に合う文例を選ぶと、伝えたいことをまとめやすくなります。卒業号ではお祝いと応援、年度末には一年間のお礼、新年度には就任の挨拶や抱負など、中心となる内容を決めましょう。
文例の出来事や学校名、役職、氏名は、実際の内容に合わせて直します。式典向けの「本日」や、まだ決まっていない次年度の予定を、そのまま誌面に残さないことも大切です。巻頭の案内と編集後記では、伝える目的も分けて考えてください。
まずは使いたい文例を一つ選び、指定文字数と掲載時期を確認して整えてみましょう。出来上がった原稿を名義人や広報担当者に確認してもらい、自校の紙面に合う形で提出してください。
