PTA広報誌の挨拶文は、立場・伝えたいこと・掲載時期を先に決めると書きやすくなります。会長なら活動全体への思い、役員なら担当する仕事を中心に、感謝や抱負を無理なくつなげてみましょう。
この記事では、PTA副会長経験者のなごみが、挨拶文の基本構成と会長・役員別の文例を紹介します。文字数の考え方、季節の書き出し、避けたい表現、提出前の確認まで、自校の広報誌に合う原稿へ整える方法をまとめました。
PTA広報誌の挨拶文を書くときのポイント

最初から気の利いた言葉を探すより、誰として何を伝えるかを整理するところから始めましょう。次の4点を押さえると、文例の選び方や、書き直す場所が見えてきます。掲載する号と担当者の依頼内容に合わせて進めてください。
- 掲載する号・文字数・締切を先に確認する
- 会長・役員の立場に合う内容を選ぶ
- 挨拶・伝えたいこと・結びの順でまとめる
- 事実と読みやすさを確認して提出する
PTA広報誌の挨拶文は3つの流れで組み立てる
基本は、挨拶・伝えたいこと・結びの順です。これは本記事で提案する組み立て方で、すべての学校に共通する書式ではありません。短い役員紹介なら、それぞれ一文ずつでもまとめられます。
| 文章の部分 | 入れる内容 |
|---|---|
| 挨拶 | 就任の自己紹介、日頃のお礼、入学・卒業のお祝いなど |
| 伝えたいこと | 担当する仕事、活動への思い、実際の出来事を一つ |
| 結び | 今後の姿勢、感謝、子どもたちへの応援など |
例えば、就任時は「役職と氏名→取り組む姿勢→よろしくお願いします」、行事後は「協力へのお礼→印象に残った場面→感謝や振り返り」とつなげます。感謝は冒頭でも結びでも構いません。同じお礼を何度も繰り返すより、中心となる内容を一つ決めましょう。
広報誌は配布後に読まれる文章なので、式典で使う「本日はお集まりいただき」などをそのまま入れる必要はありません。会場にいる人への呼びかけを、誌面を読む人への言葉に直してください。
PTA会長・役員の挨拶文例と書き分け方
ここでは、役職や担当ごとに使える文例を紹介します。文例は本記事で作成したもので、特定の学校の実例ではありません。「○○」や担当内容は、自校の名称・役割・決定事項に合わせて書き換えてください。
PTA会長の挨拶は、活動全体への思いを伝える
会長の就任挨拶では、子どもたちを支えるために大切にしたいことを伝えます。細かな事業をすべて列挙するより、保護者や先生方とどう関わるかを示すと、文章の軸が定まります。
本年度、○○学校PTA会長を務めることになりました、○○です。日頃よりPTA活動にご理解とお力添えをいただき、ありがとうございます。
子どもたちが安心して学校生活を送れるよう、先生方や保護者の皆さまの声を伺いながら、役員・委員で協力して取り組んでまいります。それぞれのご家庭の事情も大切にし、関わりやすい活動の進め方を考えていきたいと思います。一年間、どうぞよろしくお願いいたします。
会長名で載せる場合も、学校の方針や保護者全員の意見を自分の判断だけで代弁しないようにします。さいたま市PTA協議会は、会長の仕事としてPTA運営や学校・地域との連携を挙げ、役割は自校の会則などで確認するよう案内しています。(参考:さいたま市PTA協議会「【役員になったら】PTA会長の役割」)
副会長・書記などの役員は、担当する役割を一つ添える
役員紹介では、役職・氏名・担当することを簡潔に示します。「不慣れですが」と遠慮を重ねなくても、これから取り組む姿勢を素直に書けば十分です。
本年度、PTA副会長を務めます○○です。会長や役員・委員の皆さまと協力し、担当する活動が円滑に進むよう努めてまいります。保護者の皆さまの声にも耳を傾けながら取り組んでいきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
書記なら、中央の一文を「会議や活動の記録を分かりやすくまとめ、必要な情報を役員間で共有できるよう努めます」などへ替えられます。これは役割に合わせる例なので、実際に担当する仕事と合うかを確かめてください。
広報担当は、どんな誌面を届けたいかを伝える
広報担当の就任挨拶では、読者へ届けたい内容を中心に書きます。制作へのお礼を伝える編集後記とは分け、これからどのような広報誌を目指すかを示しましょう。
本年度、広報を担当します○○です。子どもたちの学校生活やPTAの活動を、分かりやすくお伝えできる誌面を目指してまいります。取材や原稿の確認などでお力をお借りする際は、内容と日程をお伝えしたうえでご相談いたします。一年間、どうぞよろしくお願いいたします。
「子ども全員の写真を必ず載せます」「毎月発行します」など、実現できるか未確認の約束は入れません。発行方針が決まっている場合は、その範囲で具体的な一文を加えられます。
行事担当は、協力へのお礼と活動の様子を伝える
行事後の文章は、担当した活動への協力に対する感謝を軸にします。学校が主催する行事なら、PTAがすべて運営したような表現にせず、自分たちが関わった範囲を書きましょう。
先日の○○では、受付や片付けなどにご協力いただき、ありがとうございました。皆さまのお力添えにより、PTAが担当する作業を進めることができました。準備を通じて気づいたことを役員間で共有し、今後の活動に役立ててまいります。
受付や片付けを担当していない場合は、実際の作業に差し替えます。子どもたちの様子を加えたいときは、自分が見た場面を一つ添えると、定型的なお礼から自校らしい文章へ近づきます。
卒業・年度末のお祝い、退任のお礼、巻頭の案内や編集後記など、掲載場面に合わせて文例を探したい方は、こちらの例文集をご覧ください。

挨拶文を書き始める前に確認したいこと
書き直しを減らすには、原稿の条件を先にそろえることが役立ちます。過去の挨拶文は参考になりますが、今年の依頼内容と同じとは限らないため、今回の広報担当者へ確認しましょう。
文字数は行数ではなく、依頼と掲載スペースで決める
挨拶文の長さは、広報担当者から指定された文字数を優先します。「会長は何行、役員は何行」と決めても、紙面の幅や文字の大きさが変われば収まる量は違います。
指定がなければ、過去の同じ欄を見せてもらい、次の点を確認してください。短い役員紹介と、一ページを使う会長寄稿を同じ長さにそろえる必要はありません。
- 本文の文字数と、見出し・役職・氏名を含めるか
- 縦書き・横書き、写真の有無、段落や改行の扱い
- 提出期限、提出先、Wordやメール本文などの提出形式
長くなったときは、文字を小さくする前に内容を整理します。短い場合も、実際に伝えたい内容が収まっていれば、同じお礼や抱負を繰り返して埋めなくて構いません。
書き手の名義と、発行時点に合う内容を確かめる
原稿は、誰の言葉として、いつ読まれるかに合わせます。個人の役員紹介なのか、委員会全体の挨拶なのかで、主語や確認する相手が変わります。
| 確認すること | 原稿への反映 |
|---|---|
| 個人名での寄稿 | 自分が考えていることや担当することを書く |
| 委員会などの連名 | 関係者で共有した方針や内容にそろえる |
| 行事後に発行する号 | 「本日の行事」ではなく「先日の○○」などに直す |
| 就任・退任の時期 | 発行日に合う役職名・年度・任期の表現を使う |
会長名の原稿を広報担当者が下書きする場合も、最終原稿を会長本人に確認してもらいます。読みやすく直す編集でも、本人の考えや約束の範囲が変わっていないかを確かめましょう。
読みやすく親しみのある挨拶文に整える工夫
原稿の骨組みができたら、書き出しと文章の長さを見直します。かしこまった表現を増やすより、誌面を読む人が内容をつかめる言葉を選んでみましょう。
書き出しは、季節の言葉か用件から自然に始める
季節の挨拶は、発行時期と内容に合う場合に添えれば十分です。毎回入れる必要はなく、自己紹介やお礼から始めても失礼にはなりません。
| 始め方 | 書き出しの例 |
|---|---|
| 就任の挨拶から | 本年度、PTAの○○を務めることになりました、○○です。 |
| 日頃のお礼から | 日頃よりPTA活動にお力添えをいただき、ありがとうございます。 |
| 季節を添えて | 春の暖かさを感じる季節となりました。 |
| 行事後のお礼から | 先日の○○では、運営にご協力いただき、ありがとうございました。 |
季節の表現を使うなら、執筆日ではなく配布する頃を意識します。桜や紅葉などの様子が分からない場合は、無理に具体的な風景を入れず、用件から始める方が整えやすくなります。
短いメモを基に、一文に一つの内容を置く
文章がまとまらないときは、担当・伝えたいこと・結びを短いメモにして並べます。例えば「書記を担当」「記録を共有したい」「一年間よろしく」の三つから、先ほどの役員挨拶を組み立てられます。
その後、一文に情報を詰め込みすぎていないか見直します。次は、長い一文を分ける例です。
修正前:本年度は広報を担当することになり、学校生活やPTA活動の様子を皆さまに知っていただけるよう、先生方や保護者の皆さまのご協力をいただきながら、読みやすい広報誌を作っていきたいと思います。
修正後:本年度は広報を担当します。学校生活やPTA活動の様子を、分かりやすくお伝えしたいと思います。先生方や保護者の皆さまと協力し、読みやすい誌面づくりに取り組んでまいります。
声に出して読み、途中で意味を追いにくい文は分けてみましょう。さらに短くするなら、繰り返しているお礼や説明から整理し、担当することや伝えたい思いを残します。
PTA広報誌の挨拶文で避けたい表現と言い換え
好印象を目指す場合も、出来事を都合よく変えたり、活動への参加を迫ったりする必要はありません。次の例は本記事の提案です。実際の状況に合うものだけを使ってください。
参加を迫る言葉や、過度な自信のなさを整える
協力をお願いするときは、家庭ごとの事情や関わり方の違いを踏まえます。また、初めての役員でも、謝る言葉を重ねるより、どのように取り組むかを示す方が内容を伝えられます。
| 見直したい表現 | 言い換えの例 |
|---|---|
| 全保護者の参加は当然です | ご都合やできることに合わせて、お力添えいただければ幸いです |
| 未熟で何も分からず、ご迷惑ばかりおかけします | 分からない点は確認しながら、役員・委員で協力して取り組みます |
| 役員でない方も、もっと協力してください | 活動内容を分かりやすくお伝えし、協力をお願いする際は作業や日程をご案内します |
挨拶文だけで参加条件や手続きを伝えきろうとせず、具体的な募集は別の案内へ分ける方法もあります。その際も、未決定の募集方法や参加条件を先に約束しないようにしましょう。
課題を隠さず、事実と今後の対応を分けて伝える
活動が思うように進まなかった場合も、事実を変えずに説明することが基本です。「明るく見せたい」という理由で、中止した行事を「無事に開催できました」と言い換えることはできません。
予定していた○○は中止となりましたが、準備にお力添えいただいた皆さまに、心よりお礼申し上げます。今後の活動については、学校や関係者と相談しながら検討してまいります。
この文例は、実際に中止し、今後の検討を予定している場合に使います。「全員が楽しみました」「必ず成長します」など、気持ちや結果の決めつけも避け、見聞きした様子と自分の願いを分けて書きましょう。
個人へのお礼も、氏名を載せること自体が一律に不適切なわけではありません。名指しする必要性、本人の意向、学校・PTAの掲載ルールを確認し、不要な家庭事情や子どもの情報は加えないようにしてください。
挨拶文を仕上げて提出するまでの確認手順
書き終えたら、文章だけでなく実際の紙面でも確認します。次の順で見直すと、内容の修正とレイアウトの調整を分けて進められます。
- 学校名・役職・氏名・年度、行事名や出来事を確認する
- 重複する言葉を整理し、指定文字数へ収める
- 名義人と必要な確認担当者に、最終原稿を読んでもらう
- 紙面で文字の大きさ・改行・署名を確認し、指定形式で提出する
署名は、学校名・正式な役職名・氏名を自校の表記にそろえます。役員紹介欄に氏名が別に入るなら本文での自己紹介を短くできるため、広報担当者と相談してください。「○○」の差し替え漏れや、発行時点に合わない「本日」「来年度」も確認します。
さいたま市PTA協議会は、広報を学校と家庭をつなぐ仕事として紹介しています。挨拶文でも、読む人へ何を届けたいかを考え、ほかのページとの重複や紙面の見やすさを整えてみましょう。(参考:さいたま市PTA協議会「広報担当になったら」)
挨拶文と一緒に載せる企画や、広報誌全体の内容を考えたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

この記事のまとめ
PTA広報誌の挨拶文は、立場と伝えたいことを決め、「挨拶・伝えたいこと・結び」の順に並べるとまとめやすくなります。会長は活動全体への思い、役員は担当する仕事や取り組む姿勢を中心にすると、自分の役割に合う文章になります。
文字数は一律の行数で決めず、広報担当者の依頼と掲載スペースに合わせましょう。季節の挨拶は必要なときに添え、感謝や抱負の繰り返しを減らします。前向きな文章に整える場合も、事実を変えたり、参加を迫ったりしないことが基本です。
まずは文例から自分の役割に合うものを選び、学校名・担当・掲載時期を直してみてください。最後に名義人の確認と紙面での見直しを行い、指定された形式と締切に合わせて提出しましょう。
