町内会長・自治会長には、何歳くらいの人が多いのでしょうか。地域の会長に60代や70代が多いと感じている方や、役員の年齢制限を検討している方もいると思います。
この記事では、10自治体の公表資料を比較し、会長に多い年代やその背景を整理しました。年齢制限と役員免除の違い、規約を見直す前に確認したいことも、現役町内会長のヒラリの視点を交えてわかりやすく紹介します。
このページの内容について、みなさんの町内会・自治会の情報を募集しています。詳細は「町内会・自治会の情報募集」をご覧ください。
町内会長・自治会長の年齢について知っておきたいポイント

町内会長・自治会長は60歳以上のシニア世代が多い傾向がありますが、地域や団体によって年齢構成は異なります。年齢だけでなく、役員を続けやすい環境づくりや、若い世代も参加しやすい運営方法を考えることが大切です。
- 市区町村の調査では、町内会長・自治会長は60歳以上が8割を超える例もある
- シニア世代が多い背景には、時間の余裕や地域経験、人脈などがある
- 20~50代の町内会長・自治会長が活動している地域もある
- 役員の年齢制限は団体によって異なり、年齢制限を設けていないところも多い
- 若い世代も参加しやすいよう、役員の負担や運営方法を見直すことも大切
ヒラリの町内会が所属する地域連合会では、会長の選ばれ方や任期によって、年齢層に違いが見られます。
各町内会・自治会で、くじで選ばれ、1年または2年で交代する会長の中には、30代や40代の人もいます。一方、再任を重ねながら長く会長を務めている人は、70歳以上がほとんどです。
その中で、40代のヒラリが再任して町内会長を続けているのは、地域では珍しいケースだと感じています。
10自治体の調査で見る町内会長・自治会長の年齢
町内会長・自治会長の年齢について、10自治体が公表した調査を比較します。ただし、全国すべての町内会・自治会を対象とした平均ではなく、調査年度や年齢区分なども異なるため、それぞれの地域の結果として確認してください。
10自治体の年齢調査を比較
ヒラリ10自治体の調査を並べると、町内会長・自治会長に多い年代と、地域による違いを確認できます。
表の「年齢設問の集計数」には、各資料の年齢グラフや集計表で使用されている人数を掲載しました。資料によっては無回答を含む場合があるため、調査全体の回答数と必ずしも同じ意味ではありません。
調査年度、対象、回答数、年齢区分が異なるため、10自治体の回答を合計して全国の割合を出すことはできません。60歳以上と70歳以上の割合は、公表された人数または年代別割合から算出できる場合だけ掲載しています。
| 自治体・調査年度 | 年齢設問の集計数 | 最も多い年代 | 60歳以上 | 70歳以上 | 公式資料 |
|---|---|---|---|---|---|
| 福岡市 令和4年度 | 1,854 | 70~74歳 30.0% | 85.1% | 57.9% | 公式資料 |
| 横浜市 令和4年度 | 1,738 | 70代 47% | 83% | 60% | 公式資料 |
| 津市 令和2年 | 869 | 60代 38.8% | 82.4% | 43.6% | 公式資料 |
| 東京都 令和5年度 | 1,470 | 70代 48.2% | 87.4% | 65.9% | 公式資料 |
| 長浜市 令和2年度 | 362 | 60代 44.5% | 公表資料から算出できず | 公表資料から算出できず | 公式資料 |
| 京都市 令和3年度 | 3,227 | 70代 29.7% | 62.2% | 34.8% | 公式資料 |
| 関市 令和7年度 | 381 | 60代 36.5% | 66.7% | 30.2% | 公式資料 |
| 岐阜市 令和6年度 | 1,770 | 61~70歳 35.6% | 公表資料から算出できず 61歳以上は76.0% | 公表資料から算出できず 71歳以上は40.4% | 公式資料 |
| 海津市 令和4年 | 146 | 60代 51.4% | 87.7% | 36.3% | 公式資料 |
| 諏訪市 令和5年度 | 89 | 60代 61.8% | 77.5% | 15.7% | 公式資料 |
※60歳以上・70歳以上の割合は、公表資料の人数または年代別割合を合計して算出しています。小数点以下の処理により、公表されている年代別割合の合計とわずかに異なる場合があります。
※長浜市は年齢区分が70代まで、岐阜市は「51~60歳」「61~70歳」「71~80歳」という区分のため、60歳以上・70歳以上の割合を正確に算出できません。
この表は全国平均を示すものではなく、町内会長・自治会長の年齢を考えるための比較資料です。回答数が多い自治体の結果を、回答数が少ない自治体より重く扱って平均を出したものでもありません。
調査結果から見える60代・70代中心の傾向



10自治体の調査を見ると、最も多い年代は60代または70代となっています。
60歳以上の割合を算出できる自治体では、海津市が87.7%、東京都が87.4%、福岡市が85.1%でした。70歳以上では、東京都が65.9%、横浜市が60%、福岡市が57.9%となっており、地域によって年齢構成に違いが見られます。
10自治体の結果からは、町内会長・自治会長には60代・70代が多い傾向を確認できます。一方、京都市では60歳以上が62.2%、諏訪市では70歳以上が15.7%となっているため、どの地域でも同じ割合になるわけではありません。
80代以上についても、東京都では17.7%、横浜市では13%、津市では6.6%、京都市では5.1%となっています。70代だけでなく、80代以上で会長を務めている人も一定数いることがわかります。
ただし、ここで紹介したのは10自治体の調査結果です。全国の町内会長・自治会長の平均年齢や、全国共通の年代別割合として扱わないようにしましょう。
町内会長・自治会長に60代・70代が多い理由
町内会長・自治会長に60代・70代が多い背景は、年齢による性格や能力だけでは説明できません。ここでは、地域の年齢構成、居住年数、選出方法、仕事や子育てとの両立といった運営上の事情から整理します。いずれも、すべての地域や年代に当てはまるものではありません。
地域の高齢化により役員候補者の年齢も上がっている



役員候補者の年齢は、その地域にどの年代の住民が多いかによって変わります。
町内会・自治会の加入者に60代以上が多い地域では、会長や役員の候補者も同じ年代が中心になりやすいでしょう。役員を選ぶ住民の年齢構成が変われば、町内会長・自治会長に多い年代も変わります。
京都市の調査では、地域内の高齢世帯がおおむね50%以上と回答した町内会が38.9%、30%以上50%未満が34.5%でした。一方、若い世帯が多い住宅地、昔から住む人が多い地域、集合住宅が中心の地域などでは状況が異なります。60代・70代が多いという結果を、すべての町内会・自治会へ当てはめないことが必要です。(参考:京都市「令和3年度自治会・町内会アンケート報告書」)
長く住み地域の事情を知る人が選ばれやすい



地域での居住年数や役員経験が、会長を選ぶときの判断材料になることがあります。
町内会・自治会の運営では、地域行事の進め方、住民同士の関係、行政の担当窓口、過去の経緯などを確認する場面が少なくありません。そのため、地域の事情を知る人や、班長・役員を経験した人が推薦されることがあります。
京都市の調査では、回答した町内会長のうち、現在の町内に30年以上住んでいる人が52.5%、10年以上30年未満が35.0%でした。年齢そのものではなく、居住年数や地域との関わり、過去の役員経験が影響している場合があります。(参考:京都市「令和3年度自治会・町内会アンケート報告書」)
会長が実際に担当する仕事については、「町内会長・自治会長の役割と仕事内容は?」でも紹介しています。


推薦や再任で同じ人が会長を続けることがある



任期が1年や2年と決められていても、再任によって同じ人が会長を続けることがあります。
立候補者や後継者が見つからない場合、運営をよく知る現在の会長に続投をお願いすることもあるでしょう。規約で定める1期の任期と、再任を含めて実際に会長を務める年数は分けて考える必要があります。
福岡市の調査では、会長の任期を2年とする団体が76.8%でしたが、再任制限がない団体は82.3%ありました。また、回答した会長の44.2%が在任5年以上となっています。これは福岡市の一例ですが、短い任期を定めていても、再任によって在任期間が長くなる場合があることがわかります。(参考:福岡市「令和4年度自治協議会・自治会等アンケート報告書」)
会長を選ぶ方法については「町内会長・自治会長の決め方|なり手がいないときはくじ引きもあり?」、任期と再任の違いについては「町内会長・自治会長と役員の任期はどれぐらい?何年で交代する?」も参考にしてください。




現役世代は仕事や子育てとの両立が難しい



現役世代が会長を引き受けにくい背景には、仕事や子育てとの時間調整があります。
町内会長・自治会長になると、平日の会議や行政との連絡、休日の行事などに対応することがあります。仕事内容や勤務時間、子どもの年齢、家族の状況によっては、参加したい気持ちがあっても予定を合わせにくいかもしれません。
会長を引き受けにくいことと、地域活動に関心がないことは同じではありません。若い世代の意識だけを理由にせず、仕事や家庭と両立できる運営方法になっているかも確認する必要があります。
町内会長と仕事の関係については「町内会長・自治会長はどんな職業の人がやっている?」、オンライン会議や情報共有については「町内会・自治会がデジタル化するメリットとデメリット」で詳しく紹介しています。






ヒラリは40代の現役町内会長として、仕事や子育てをしながら町内会・自治会の活動に関わっています。
自営業のため時間を調整しやすい面はありますが、町内会や学区の会議や行事が重なると予定のやりくりが必要です。町内会長を続けるには、自分で時間を調整するだけでなく、家族の理解や協力も欠かせないと感じています。
町内会・自治会役員に年齢制限はある?
町内会・自治会役員の年齢に関する決まりは、団体ごとの規約や運営方法によって異なります。一定の年齢を上限とする団体、高齢者を役員の順番から外す団体、年齢による制限を設けていない団体があるため、それぞれの違いを確認しましょう。
役員に全国共通の年齢制限はない



町内会長・自治会長を含む役員に、全国一律の上限年齢はありません。
町内会・自治会は、基本的に法律上の規定がない任意団体として、それぞれの地域で自主的に運営されています。そのため、役員になれる年齢や免除の条件についても、各団体が規約などで定めることになります。(参考:東大和市「自治会の手引き」)
まず確認したいのは、自分の町内会・自治会の規約に、役員の資格や年齢に関する条文があるかどうかです。「何歳まで」といった上限だけでなく、「一定の年齢以上は役員を免除する」「本人の希望や健康状態を考慮する」などの決まりがないかも確認してください。
規約に記載がない場合は、過去の総会議事録や役員選出の方法も確認しておきましょう。地域の慣例だけで年齢を理由に除外するのではなく、住民が確認できるルールにすることが求められます。
規約で年齢制限や役員免除を定める団体もある



上限年齢と役員免除は、似ているようで目的や扱いが異なります。
- 上限年齢:一定の年齢以上になると、会長や役員へ就任できない決まり
- 役員免除:会員としては在籍したまま、班長や役員を担当する順番から外す決まり
上限年齢は役員への就任を制限するルール、役員免除は高齢者などの負担を軽くするルールです。役員免除については、年齢だけで一律に決める方法のほか、本人の意思や健康状態、同居家族の状況などを考慮する方法もあります。
関市が令和7年度に行った自治会長アンケートでは、381団体のうち113団体が「年齢制限がある」、264団体が「制限はない」と回答しました。高齢者の役員免除については、70歳以上、75歳以上、80歳以上など、団体によって異なる基準が見られます。(参考:関市自治会連合会「令和7年度関市自治会長アンケート調査結果報告書」)
宇都宮市では、高齢などの理由で自治会活動の継続が難しいと自治会が認めた世帯について、会則に条件を定めたうえで、班長などの役員就任や会費の負担を軽減する取り組みを支援しています。年齢だけでなく、自治会の規模や会員構成に応じて柔軟に運用する例もあります。(参考:宇都宮市「高齢者など自治会活動の継続が困難な方に対する支援」)
一方、平生町の令和3年度調査には、役員の年齢制限を設けていたものの、自治会員の高齢化によって担い手が減り、若い世代へ負担が集中するため、制限をなくすことにした自治会の回答も掲載されています。年齢制限は一度設けたら終わりではなく、地域の状況に合わせた見直しも必要でしょう。(参考:平生町「令和3年度自治会アンケート調査結果」)
役員に年齢制限を設けるメリット・デメリット



年齢制限には世代交代を進めやすい面がある一方、役員候補者を減らす可能性もあります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 世代交代を考えるきっかけになる | 年齢制限の対象者を除くことで、役員候補者が減る |
| 同じ人による長期在任を防ぎやすい | 地域の事情や運営を知る人が役員になれなくなる |
| 年齢を一つの目安として、身体的な負担へ配慮できる | 若い世代や一部の世帯へ役員の負担が集中する可能性がある |
| 次の世代へ引き継ぐ時期を決めやすい | 引き継ぎが不十分だと、運営が滞ることがある |
年齢制限を設ければ、必ず町内会長・自治会長の若返りが進むわけではありません。年齢制限の対象となった人が退任しても、次の候補者がいなければ、役員選出がさらに難しくなることがあります。
また、健康状態、活動できる時間、本人の意思は、年齢だけでは判断できません。年齢制限を検討するときは、役員候補者の人数や仕事量、引き継ぎの方法まで一緒に考える必要があります。
名古屋市の区政協力委員の年齢制限とは分けて考える



名古屋市の区政協力委員に設けられた年齢要件が、そのまま町内会長・自治会長の年齢制限になるわけではありません。
町内会長・自治会長は、町内会・自治会が規約などに基づいて選ぶ団体内部の役職です。一方、区政協力委員は、地域から推薦された候補者を区長が市長へ推薦し、名古屋市長が委嘱する非常勤特別職の地方公務員です。
名古屋市の最新の案内では、区政協力委員の任期は2年で再任が可能ですが、新任・再任を問わず、委嘱時に80歳未満であることが要件とされています。80歳未満という要件は区政協力委員に関するものであり、町内会長・自治会長へ全国共通に適用される決まりではありません。(参考:名古屋市「名古屋市区政協力委員」)
町内会長が区政協力委員を兼任している地域では、委員の年齢要件を満たさなくなったときに、別の人を区政協力委員として推薦し、本人は町内会長を続ける方法も考えられます。一方、「町内会長が区政協力委員を兼任する」と地域内で決めている場合は、町内会長も交代することになるかもしれません。
兼任している場合は、町内会・自治会の規約と、区政協力委員の推薦方法をそれぞれ確認することが必要です。判断に迷うときは、所属する学区や区役所の地域力推進課などへ確認してください。
役員の年齢制限を決める前に確認したいこと
役員の年齢制限を設けるかどうかは、年齢だけを見て決めるものではありません。地域の年齢構成、実際の役員候補者、本人が活動できる状況、現在の規約を順番に確認し、その地域で無理なく続けられる方法を考えましょう。
地域の年齢構成と役員候補者を確認する



まずは、年齢制限を設けた後に、役員を引き受けられる人が何人残るのかを確認しましょう。
たとえば、75歳以上を役員の対象外とした場合、現在の役員や次年度以降の候補者がどれだけ減るのかを整理します。年齢制限を決める前に、現在の役員と今後の候補者を具体的に把握することが必要です。
町内会・自治会全体では候補者が足りていても、班や組ごとに見ると年齢構成が大きく異なる場合があります。高齢世帯が多い班だけ役員を選べなくなったり、若い世帯が多い班へ順番が集中したりしないかも確認してください。
候補者を整理するときは、年齢だけでなく、過去の役員経験や本人の意向も確認します。誰が役員になれるかを決めつけるのではなく、実際に引き受けられる人の人数を把握するための確認として行いましょう。
年齢だけでなく本人の意思や活動できる状況を考える



同じ年齢でも、役員として活動できる状況は一人ひとり異なります。
健康状態、仕事の勤務時間、子育てや介護などの家庭事情、外出できる時間は、年齢だけでは判断できません。70代でも活動を続けたい人がいる一方、40代や50代でも仕事や家庭の都合によって、会議や行事への参加が難しい人もいるでしょう。
年齢だけで「できる人」「できない人」に分けず、本人の意思と実際に担当できる仕事を確認することが大切です。役員全体を引き受けることが難しい場合でも、一部の仕事だけを担当してもらう方法があります。
また、長く活動してきた人には、補助役や相談役として経験を生かしてもらうこともできます。役員を続けるか完全に退くかの二つに分けず、地域に合った関わり方を用意すると、世代交代と運営の引き継ぎを進めやすくなります。
規約の変更方法と総会の承認を確認する



役員の年齢制限や免除制度を新しく設けるときは、現在の規約に書かれた変更手続きを先に確認します。
- 現在の規約に、役員の年齢や役員免除の定めがあるか
- 規約の変更を誰が提案できるか
- 総会で必要となる出席数や賛成数
- 変更後の年齢制限をいつから適用するか
- 現在就任している役員をどのように扱うか
- 変更内容を会員へいつ、どのように知らせるか
総会の成立に必要な出席数や、規約変更に必要な賛成数は、団体によって異なります。役員会だけで決定せず、規約で定められた手順に沿って議案を提出し、会員へ変更の理由と影響を説明しましょう。
年齢制限を決めるだけでなく、適用開始日と現在の役員に対する経過措置まで明確にする必要があります。たとえば、総会で承認された直後から適用するのか、次回の役員改選から適用するのかによって、現在就任している人への影響が変わります。
承認された内容は、変更後の規約と総会議事録の両方へ残してください。後から確認した人にも、いつ、どのような理由で変更されたのかがわかる状態にしておくと、次の役員選出も進めやすくなります。(参考:名古屋市「町内会・自治会運営ハンドブック」)
この記事のまとめ
10自治体の調査では、町内会長・自治会長に60代・70代が多い傾向が見られました。ただし、調査年度や年齢区分などが異なるため、全国平均ではなく、それぞれの地域で行われた調査結果として見る必要があります。
会長の年代には、地域の年齢構成や居住年数、選出方法、再任、仕事や子育てとの両立など、さまざまな事情が関係しています。また、役員に全国共通の上限年齢はなく、年齢制限や役員免除の扱いは団体ごとに異なります。
年齢制限を検討するときは、役員候補者が何人残るのか、本人が活動できる状況はどうか、現在の規約には何が書かれているかを確認しましょう。現役町内会長としてヒラリも、役員を務められるかどうかは年齢だけでは判断できないと感じています。地域の実情に合った内容を話し合い、規約に沿って総会の承認を得ることが必要です。








